外国人実習生向け介護日本語教育のエキスパート達が、生徒の成長を暖かく見守ります。

甘利 庸子 教授 (一般社団法人 海外介護士育成協議会  代表理事)

介護現場では介護のための日本語が必要だと、参加している国際アジア健康構想協議会の中でずっと検討されてきました。今回、N3相当試験の一つとして「介護日本語能力テスト」が創設されたことで、介護の日本語の勉強方法は大きく変わっていくでしょう。
介護の現場で使われる日本語を、単に言葉としてではなく、介護の知識と一緒に覚えていくことが、とても大切です。
中央法規出版からの私の著書「外国人のためのやさしい介護のことば」「外国人のためのやさしい介護の知識と技術」は、外国人の介護テキストのバイブルと言われていますが、今回はこれらのテキストを基本にカリキュラムが構成されています。
私は教育を目的とする一般社団法人 海外介護士育成協議会において、国内外で、介護に特化した日本語教育とともに、優しく心のこもったマナーと技術を身に付けた介護技能実習生を育成し、日本と世界の未来のための事業を推進してきました。本学院の教材には、私たちが培ってきた介護日本語専門教育のノウハウが凝縮されています。
ここでの勉強により、介護現場で必要なコミュニケーション能力や記録をつける力が身に付き、自信をもって楽しく日々の介護の仕事が出来るようになってきます。それは、3年間の実務経験を積んで介護福祉士試験に合格するという素晴らしい道に続いています。幸せに日本で生活し、介護を大好きになって、いつか介護福祉士の国家資格を取ることで、多様な選択肢が拓けてきます。
外国人介護士が、笑顔でのびのびと介護の仕事を続け、介護の楽しさや素晴らしさを感じていけるように、全力でサポートしていきたいと思います。

本宮 薫 教授 (一般社団法人 日本介護職業能力育成機構 理事長) 

ご存知の通り、わが国の介護現場では、深刻な担い手不足が叫ばれています。介護は人の尊厳、人の命に関わる極めて難しく尊い仕事です。ロボットなどの導入も検討されていますが、最後は人の手による介護が必要ではないかと考えております。そんな中、平成29年度より、介護分野における外国人技能実習制度がはじまり、多くの外国人介護職員が日本の介護を学び活躍するようになりました。介護という仕事は、専門的なスキルとコミュニケーションを必要とします。介護の現場において、日本語を知っているだけでは、よりよいケアはできません。言葉を覚えるだけでなく、言葉の意味の理解を深めることが必要です。
介護日本語教育の充実によって、異文化の中で育ってきた外国人介護職員の皆様が安全で優しいケアを実践できます。日本の文化と介護知識・技術をお伝えすることと、また、受入実習機関の皆様へのフォローを通じて、よりよい外国人技能実習制度の振興と発展を目指して努力してまいりました。その目標達成のために、私たちが開発してきた教材が活用されることに大きな期待と責任を感じています。

天笠 寛 教授 (つばさグループ 会長)

入居者様に「毎日を楽しく生活していただきたい」というのが私の創ったつばさグループの願いです。そのような施設運営に外国人介護人材は、すでになくてはならない存在です。
私は、介護人材の外国人の積極的な採用を図るなかで、福祉に特化した協同組合を監理団体として設立し、さらに日本語教育を充実させて、質の高いケアシステムを構築するために、日本語学校を創立し、「夢をかなえる能力と精神力を有する人材をはぐくみ、その努力に支援と機会を与える」という建学の精神のもとベトナム、フィリピン、インド、ネパール、中国、タイに介護日本語学校を展開してまいりました。これまでの介護日本語教育の研究成果が、本学院の教材に活かされたことで、アジア健康構想の実現を加速したいと思っております。

提携団体代表からのメッセージ

JLCT 理事長 石井一二(元外務政務次官)(介護日本語能力テスト主催団体 代表)

わが国では、最近少子高齢化がどんどん進んでいます。
一方、年間の人口減もどんどん進み、年間の減少数は約80万人に及んでいます。
その結果、介護を必要とするお年寄りが増え続ける一方、ご高齢者のお世話をする働き手の確保が難しく、そのことが大きな社会問題となっています。
このような状況のもとで、政府は外国人技能実習及び特定技能の両制度を中心に主としてアジアの国々より、勤労意欲旺盛な若人達を招いて各分野の技術の伝達を進め国内の社会的ニーズを満たしていくと共に ひいては、それぞれの国々の将来の発展に寄与することを目指しています。
このような状況のもとで、技術移転をスムーズに進めていくために 問題として取上げられているのが外国人の日本語能力アップです。
特に介護分野ではお年寄りとの接触の場合、心と心のふれあいが重要であり、介護の専門的な事業の理解はもとより、日常の日本語力が少しでも向上することにより、お年寄りも介護に従事する外国人達、更に福祉施設の経営者等全ての人々がより、明るく 楽しく愉快に本来の目的を達成していけることになるでしょう。
私共が運営しようとしているʼ介護日本語能力速習プログラムʼは、短い時間に有効なしかも内容豊かな介護教育プログラムをWEBを通して提供させていただいております。
外国人実習生の方々の積極的御参加とその機会を与えて下さる介護関係事業者の御理解、御協力を心よりお願い致します。

ベトナムにて、教壇に立ち熱弁を振るう石井代表